ということで、手始めに、手元にある『随想録』から、
アフォリズム形式のものを選んでみることにする。
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あらゆる真実は逆説だ。
叙事詩は最悪だった、叙情詩を書こう。
怠慢という鎧がなければ、今ごろ純潔の剣に刺されていただろう。
まず、偽善から始めよ。
究極のしらふが、俺を酔わせる。
哀しいから、あくびをしてみた。
叙述は弁解の旅だ。
「私がルールブックだ」 この傲慢さこそが人間性である。
ここに記されるものはゴミだ。
だが、美しきゴミだ。それは、少しでも真実に近づけてくれる。
どんどん、空洞化して、媒体化していくべきだ。
希望しなければ、絶望はない。
絶望はきわめて個人的なものだ。
絶望は解決する。
原因は誕生だ、経過は生存だ、結果は死だ。
何が真実であるかではなく、いかに真実たりうるか。
神は大いなる不合理であり、
偉大なる不可能である。
神は無への熱狂である。
自然はエントロピー増大させ、
人間の行為はエントロピーを減少させる。
開放された脳細胞には美が宿る。
悪しき世界では改革者となれ、
良き世界では潤滑油となれ。
全てが事後処理だ。
地球は滅びた後、何とかしようとするだろう。
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今、読み返し見ると、あの頃とずいぶん考えが変わったなとも思う。
そんなことばかり考えていたら、気もおかしくなるだろう、とも。
まぁ、でも、通らなければならなかった道なんだろうな。